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秘密のキスは蜜の味【完結】
第29章 私たちの場所
「昭和の香り漂うアパートだな!」
急だったから古い所しか空きが無かったんだって
「葉瑠が来るまでに別のとこ探せるかな?」
なんで?いいよ見てみたいもん。
ほんとか?──うん見たい!
不思議…鏡也君と話してると遠距離になったのなんて忘れちゃう。
いつの間にか涙も止まっていた……
そう言えば、プレゼントまだ届かないけど、寝ちゃってたから気か付かなかったのかな?
「宅急便がまだ来ないんだけど今日でしょ?」
「あ~あれは嘘」え?嘘?
だってそうでも言わなきゃ、ずっとあそこで泣いてると思ったから─!
なんだそうだったの?
クスッ─「プレゼント無くてガッカリした?」
そ、んなこと…ないけど…でも少しだけ期待しちゃった─
クスクス…「葉瑠?あるよ心配すんな」
俺のマンションから持ってった段ボールがあるだろ?その中に入ってるからあとで開けてごらん!─
段ボール?
そっ!
今見ていい?「ダメあとで」
なんで?「いいから」
「どれにしようか迷ったんだけどいいのがあったんだよ」
葉瑠なら絶対気に入ってくれると思うんだ!
楽しみにしてな!……
そんなに?なになに~何をくれるの。
そしたらもう段ボールが気になって仕方がない…
プレゼントなんていらないって思ったけど、やっばり嬉しい!
遠距離になったけど、鏡也君とこうやってお喋り出来るし─うん私、たぶん大丈夫。
それから…なかなか電話が切れなくて、つい長電話
「葉瑠、明日仕事だろ?もう寝よっか?」
うん、そうだね!
また電話するからな。──うん!