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手と手と~そして君に~
第4章 キラキラを忘れない
風が優しく僕を吹き抜ける
キラキラな森は僕に
もっとおいで、もっと
って手招きしながら僕を森の奥へ誘う
「おぉーい、莉生どこだー」
僕の後ろから父さんの声が聞こえた
今日は仕事で遅くなるって言ってたのに
立ち止まったけど
僕はまだ奥に行くつもりで
振り返ったまま父さんが来るのを
ちょっとソワソワしながら
僕は足踏みして待った
「こんなに入り込んで…今すぐに帰ろう」
父さんは両手を両膝につき
あがった息を整えるように項垂れた