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恋はどこからやってくる?
第3章 柏木の事情
先輩と彼女は、大きなケンカも揉め事もなく、いわゆるラブラブなままで卒業していった。
そこへ割って入るような自信も度胸も柏木にはなく、報われない想いを忘れようと地元から離れた大学を選んだ。
オネエと呼ばれる同性愛者がテレビで活躍するようになって久しいが、一般社会に置けるその存在はまだまだマイノリティだし、受け入れられる空気を感じた事がない。
部活のOB会が行われたのは、大学二年の夏だった。
その頃には、苦しかった想いは随分と薄れ、過去のものとして蓋が出来るような気がしていた。
だから出席しても大丈夫だと思った。
あの頃のように、良き後輩としていられると思っていた。
でもそれは思い違いで、懐かしいグラウンドの土の香りを嗅いだ瞬間、封じ込めていた数年分の想いは一瞬にして解かれ柏木をいっぱいにしたのだ。
そこへ割って入るような自信も度胸も柏木にはなく、報われない想いを忘れようと地元から離れた大学を選んだ。
オネエと呼ばれる同性愛者がテレビで活躍するようになって久しいが、一般社会に置けるその存在はまだまだマイノリティだし、受け入れられる空気を感じた事がない。
部活のOB会が行われたのは、大学二年の夏だった。
その頃には、苦しかった想いは随分と薄れ、過去のものとして蓋が出来るような気がしていた。
だから出席しても大丈夫だと思った。
あの頃のように、良き後輩としていられると思っていた。
でもそれは思い違いで、懐かしいグラウンドの土の香りを嗅いだ瞬間、封じ込めていた数年分の想いは一瞬にして解かれ柏木をいっぱいにしたのだ。