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恋はどこからやってくる?
第5章 ふたりのうねり
薄い紺野の肩に顎を乗せ、肩甲骨の辺りに腕を回す。

「お前、ほんと筋肉ねぇな、ははは」

「ちょ…なんで今そーゆうこと。それに今のあれって…」

「キスに決まってんだろ。正気か?」

「え、あ、だって…柏木さんこそ、あの」

「俺もお前が」

「………」

「…お前の事が、好きだよ」

「………」

「お前となら、暴風に巻き込まれても楽しいような気がしてきちまった」

「…………」

「おい、なんか言えよ」

「あ、う、嬉しくて…どうしよう」

おずおずと背中に回された紺野の手が震えている。

「泣いてんじゃねぇよ」

「柏木さんだって鼻声」

「バーカ」


抱き締めた体はごつごつと固くて、でもなんて優しいんだろう。
このぬくもりがあれば、どんなに冷たい嵐の中でもきっと大丈夫だ。

そんなふうに思える相手の存在を、互いの体温で確認しあえる喜びに、二人はしばらく身を任せていた。




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