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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第79章 落書き~とある家族の歴史を伝えるもの~
何度か止めさせようとしてみたが 気をつけて見ていると

 家庭では〝あっこっこ〟 学校や外では〝さやか〟と使い分けしているので

 まあ 家の中だけでなら良いかと 止めるのはやめた

 恐らく壁に落書きしたのは少し前のことだろう

 今なら〝あここ〟ではなく〝あっこっこ〟とちゃんと書くことができる

 
 そういえば 私が子どもの頃

 まだ改築する前の玄関の壁に落書きがあった

 そこには へのへのもへじの拙い絵が描かれていて

 〝じゅんこ〟と書いてあった

 ちなみに 順子というのは私の父の妹 つまり叔母である

 今年もう77歳くらいになるはずだ

 つまりは順子おばさんが小さい時分に描いた落書きだろう

 
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