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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第79章 落書き~とある家族の歴史を伝えるもの~
叔母が書いたという落書きを見つけた時

 私は子ども心に不思議な感慨にとらわれた

 ここに確かな時間の痕跡がある

 今は大人になっている叔母にも私と同じように幼い頃があったのだと

 嫁ぐはるか前には 叔母も私のようにこの場所で遊んだのだと

 そう考えると 幼かった叔母の姿が 落書きを夢中になって描いている幼い女の子が

 眼の前に見えるような気がした

 幼かった私は小さな手の指先で叔母がかつて描いたへのへのもへじをなぞった

 たかが落書き されど落書き

 幼子が描いた拙い字と絵は 優しい時間の流れを経ても

 色褪せず その場所にとどまり 一家の歴史の一部を伝える

 その落書きも家の改築工事で取り壊され無くなった

 既に私は大人になっていた

 いつか我が子の書いた落書きも 子孫の誰かが見つけて

 不思議な懐かしさをもって眺める日が来るのかもしれない

 そんなことを思いながら 私は落書きをいつまでも眺めていた
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