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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第107章 花一輪、女の一生
何故なのだろう
私は椿を見ると、女性を連想してしまう
その色や形である年代の
どういう風な女性かをイメージして
花の姿に重ねる
私の好きな紅入り白椿は
さしずめ少女から大人になりかけている
微妙な年頃だろうか
潔癖さを示す純白にほんの少し
傍で見なければ判らないほど僅かに
紅が散ったその色は
天真爛漫な女の子が
少しずつ大人への階段を上ってゆく姿に
似ている
いつもは無垢なのに
時々ハッとするほどの妖艶さが
その仕草や表情に混じる
真冬の凍てつく庭に佇みながら
私はしばし椿たちを眺める
それぞれの色をうつろいゆく女の一生の瞬間瞬間に重ねながら