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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第108章 下弦の月~夜明け前~
『下弦の月~夜明け前~』
月が出ている
まだ夜明け前の薄青さをそこここに残した空に
やや下(右)縁の欠けた月がくっきりと浮かんでいる
早朝の凍てついた大気の中
見上げる私の視界に
小さく見える月を背景に二つの巨大な建物がそそり立つ
かつて双方の家にはどちらもたくさんの人が住んでいた
右側の二階家は既に住む人もない廃屋と化し
左側の三階家は老夫婦だけがひっそりと暮らしている
かつて子どもたちの歓声が溢れた家々は
今 ひそやかな静けさをいまとい佇むのみ
まるで 巨大な恐竜が永い眠りを貪るかのように
月が出ている
まだ夜明け前の薄青さをそこここに残した空に
やや下(右)縁の欠けた月がくっきりと浮かんでいる
早朝の凍てついた大気の中
見上げる私の視界に
小さく見える月を背景に二つの巨大な建物がそそり立つ
かつて双方の家にはどちらもたくさんの人が住んでいた
右側の二階家は既に住む人もない廃屋と化し
左側の三階家は老夫婦だけがひっそりと暮らしている
かつて子どもたちの歓声が溢れた家々は
今 ひそやかな静けさをいまとい佇むのみ
まるで 巨大な恐竜が永い眠りを貪るかのように