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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第126章 夫婦で聞く除夜の鐘
今年は寺の行事が終わってから
夫と除夜の鐘を聞いた
―おかしい。十二時半なのに、どこの除夜の鐘だ?
何事も決まったとおりに進むのが好きな夫に
私はのんごとり相づちを打つ
―そうだね。
けれども心では思った
テレビ中継ではなく本物の除夜の鐘を夫婦水入らずで聞くのは
連れ添って23年にして初めてかもしれない
どこの社寺の鐘かは知らないが
テレビではなく本物の方が情緒があって良い
―おかしいぞ、まだ鳴っている!
まだ不満そうに呟く夫のぼやきに構わず
遠くから除夜の鐘は鳴り続ける
今年も平穏な年になりますように
夫と除夜の鐘を聞いた
―おかしい。十二時半なのに、どこの除夜の鐘だ?
何事も決まったとおりに進むのが好きな夫に
私はのんごとり相づちを打つ
―そうだね。
けれども心では思った
テレビ中継ではなく本物の除夜の鐘を夫婦水入らずで聞くのは
連れ添って23年にして初めてかもしれない
どこの社寺の鐘かは知らないが
テレビではなく本物の方が情緒があって良い
―おかしいぞ、まだ鳴っている!
まだ不満そうに呟く夫のぼやきに構わず
遠くから除夜の鐘は鳴り続ける
今年も平穏な年になりますように