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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第127章 春を待つ~冬来たりなば春遠からじ~
「春を待つ~冬来たりなば春遠からじ~」
澄み渡った蒼天の下(もと)
真っすぐに天(そら)に向かって枝をひろげる白木蓮
今はまだ葉もつけてはいないが
繭のような形をした新芽が
早くもひっそりと息づいている
新芽を守るように表皮についている和毛が何とも可愛らしい
樹そのものは しゃんと背筋を伸ばした女性のようだけれど
たくさんついている可憐な芽たちは
お母さんに抱かれている子どもたちに見える