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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第150章 椿ノ恋奇譚~深紅の花嫁と月の泪(なみだ)
月は新月から満月に至るまで眠り続ける
それゆえに 椿の切ない叫びが届かなかったのじゃ
十五夜になり 目覚めた月はたいそう愕いた
椿の哀しい片恋を見届けた小鳥が月に教え
月はすべてを知る
―ああ 憐れなことをしてしまった。
月は哀しみの涙を流し
美しい泪は
はらはら はらはらと天空を舞いながら
やがて煌めく水晶の欠片となった
哀しみのあまり心を閉ざした椿は二度と月に語りかけない
心を閉ざしたまま永遠の眠りについた
空の神様は椿を可哀想に思って雪を降らせた
ふうわり ふわり
天から舞い降りる純白の雪は椿を優しく包み込み
真白な花嫁衣装となる
それゆえに 椿の切ない叫びが届かなかったのじゃ
十五夜になり 目覚めた月はたいそう愕いた
椿の哀しい片恋を見届けた小鳥が月に教え
月はすべてを知る
―ああ 憐れなことをしてしまった。
月は哀しみの涙を流し
美しい泪は
はらはら はらはらと天空を舞いながら
やがて煌めく水晶の欠片となった
哀しみのあまり心を閉ざした椿は二度と月に語りかけない
心を閉ざしたまま永遠の眠りについた
空の神様は椿を可哀想に思って雪を降らせた
ふうわり ふわり
天から舞い降りる純白の雪は椿を優しく包み込み
真白な花嫁衣装となる