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第21章 別離～去る者は追わず～

うぬぼれないで欲しいわ
バカにしないで欲しいわ
思い切り大きな声でそういえれば良かったのに

私はただ　あなたの側にいられるだけで良いからなんて
メロドラマのような愚かな未練に縋って
あなたを待ち続けた

そして　ある日突然に届いたあなたからのメール
〝嫁さんが妊娠した。済まない〟

私は何度も何度も　その短い文面を読み返した
〝妻が冷たい女でね。不妊治療に躍起になって、義務みたいなセックスが
イヤなんだ〟
〝もう何年も妻を抱いてない〟
　私を抱きながら告げた言葉は何だったのか

もう一度だけ会ってなんて
絶対に言うつもりじゃなかったのに
私はメールを見るなり　半狂乱になって
あなたにメールしていた