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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第192章 落花賦
刹那
一陣の風が吹き抜ける
わずかに残った古木の残花は今度こそ
すべての花びらを散らした
蒼穹に舞い踊る花びらたちは
あたかも手(た)弱(おや)女(め)の流す涙の如く
幾日も幾日も降り続けた
鳥はすべてを見守りながら ひっそりと泣いた
もう二度と花の美しき声を聞けぬ
我の余計な一言が花の生命を縮めたのだ
すすり泣く鳥の上にも
淡紅色の花びらは静かに降り続ける
その時 鳥は確かに聞く
花びらの降りしきる音にかすかに混じる花の声を
ー永遠の自由を得て、今、改めて友の情の深きを知る。
花をすべて落とした老樹の枝先に止まり
鳥は静かに翼をたたみ
二度とは会えぬ友を想った

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