この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第192章 落花賦
刹那
一陣の風が吹き抜ける
わずかに残った古木の残花は今度こそ
すべての花びらを散らした
蒼穹に舞い踊る花びらたちは
あたかも手(た)弱(おや)女(め)の流す涙の如く
幾日も幾日も降り続けた
鳥はすべてを見守りながら ひっそりと泣いた
もう二度と花の美しき声を聞けぬ
我の余計な一言が花の生命を縮めたのだ
すすり泣く鳥の上にも
淡紅色の花びらは静かに降り続ける
その時 鳥は確かに聞く
花びらの降りしきる音にかすかに混じる花の声を
ー永遠の自由を得て、今、改めて友の情の深きを知る。
花をすべて落とした老樹の枝先に止まり
鳥は静かに翼をたたみ
二度とは会えぬ友を想った
一陣の風が吹き抜ける
わずかに残った古木の残花は今度こそ
すべての花びらを散らした
蒼穹に舞い踊る花びらたちは
あたかも手(た)弱(おや)女(め)の流す涙の如く
幾日も幾日も降り続けた
鳥はすべてを見守りながら ひっそりと泣いた
もう二度と花の美しき声を聞けぬ
我の余計な一言が花の生命を縮めたのだ
すすり泣く鳥の上にも
淡紅色の花びらは静かに降り続ける
その時 鳥は確かに聞く
花びらの降りしきる音にかすかに混じる花の声を
ー永遠の自由を得て、今、改めて友の情の深きを知る。
花をすべて落とした老樹の枝先に止まり
鳥は静かに翼をたたみ
二度とは会えぬ友を想った