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妄想の神さまっ♪
第10章 高校卒業
入試が終わってヒマだから、以前から見たかった映画を見た。

死神が主人公の人間と話していた。

『あんな話しは嘘じゃ。 死神は絶対に人間には見えん』
映画館からの帰り道、繁華街でオッサンが言った。

〜じゃあ、人間には見えないだけで、死神はたくさんいるの?〜
私はオッサンに尋ねた。

『たくさんって訳じゃないが、いる。 死神は狙った人間の横に立っている。 その人間にも死神の姿は見えんがのぉ。 死神に狙われた人間は、その死神が定めた日時に、その死神が定めた死に方で死ぬんじゃ』

〜じゃあ、この中にも死神に狙われている人はいるの?〜
私は繁華街の人混みを指さして尋ねた。

『それは言えん。 人間にそれを教えるのは、死神の仕事の妨害ってことになる。 他の神の仕事をジャマした神は、懲罰委員会にかけられるんじゃ』

オッサンはよほど懲罰委員会が怖いらしい。

〜どんな懲罰があるの?〜
私はオッサンに尋ねた。

『消滅させられるんじゃ』

神さまの世界はすごく厳しそうだ。
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