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陽炎 ー第二夜ー
第2章 勝負師
夜になり、いい匂いに惹かれて、俺は一軒の料理屋に入る。

「いらっしゃい」

ハキハキした女の声がした。

店の中は結構盛況で、ざわついている。

「どこが空いてるか、教えてくれるかな?」

杖を持ち上げて声を掛けると、ハキハキした声の主が出てきた。

「兄さん目が見えないの?じゃ、こっちきて。気をつけなよ」

そう言って俺の手を引き、席に座らせてくれる。
俺は手持ちの小銭を全部出して、

「これでなんか食えるかな?」

と聞いた。

「酒は?」

「いらない」

「じゃ、おかずが何品かだね。白飯は?」

「欲しい」

「分かった」

「これで食えるもんの中で、おすすめある?」

「ウチの看板はね、芋と蛸の煮っ転がし。あとだし巻き卵。それから今日は汲み上げ豆腐もあるよ」

「じゃ、それお願い。」

「はいよ」

しばらくすると、いい匂いの皿が運ばれてくる。

「豆腐とだし巻きのおろしに醤油差しとくかい?」

「ん、ちょっとだけお願い。」

親切な女だった。

「るい!銚子一本追加!」

「はいよっ!」

「こっちのだし巻きまだかよ⁉︎」

「うるさいねぇ、ちょっと待ちな!」

そんな客とのやりとりに、ちょっと笑ってしまう。きっぷのいい女は好きだ。

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