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陽炎 ー第二夜ー
第2章 勝負師
回を重ねても、音は不鮮明なままで。もはや読んでんのか勘なのか、自分でもよくわからなくなっていたけど。
俺の張りは的中した。
兵衛は、周りの掛け方を見ながら、たまに俺の読みと違う方を張った。
俺の読みを信頼した上で、連勝して怪しまれない様に適度に按配を取っていた。
結果。
終わってみれば手元には十二貫文の銭が入った。うち一両分、四貫文は兵衛の元手だから、合計八貫紋を兵衛に渡し、俺は四貫文取る。
二人とも、とても持っては帰れねぇ重さだから、籠を拾って帰ることにした。
籠を待つ間、兵衛が話しかけてくる。
「流石じゃの。しばらくこれで食うて行くか?」
「いや…やっぱ博打は一筋縄じゃあねぇ。今日は当たったけど、半分は勘だ。音が判別しづらい。湯呑みとは勝手が違うわ。普通の遊興博打と変わりゃしねぇ。こんな危ない橋渡んのは御免だよ。」
兵衛は一つ息を吐く。
「そうか…まぁ、たまにはこれで遊ぶのも悪くはないと思うがな。なぁ、鷺よ。二人で組んで、何ぞまともな商売でもせんか?お互い一人じゃやりにくかろう。」
「ん、それもいいな」
冬の夜風にぶるりと身を震わせながら答えた。
籠が来て、兵衛と別れ、一人るいさんの家に帰る。
俺の張りは的中した。
兵衛は、周りの掛け方を見ながら、たまに俺の読みと違う方を張った。
俺の読みを信頼した上で、連勝して怪しまれない様に適度に按配を取っていた。
結果。
終わってみれば手元には十二貫文の銭が入った。うち一両分、四貫文は兵衛の元手だから、合計八貫紋を兵衛に渡し、俺は四貫文取る。
二人とも、とても持っては帰れねぇ重さだから、籠を拾って帰ることにした。
籠を待つ間、兵衛が話しかけてくる。
「流石じゃの。しばらくこれで食うて行くか?」
「いや…やっぱ博打は一筋縄じゃあねぇ。今日は当たったけど、半分は勘だ。音が判別しづらい。湯呑みとは勝手が違うわ。普通の遊興博打と変わりゃしねぇ。こんな危ない橋渡んのは御免だよ。」
兵衛は一つ息を吐く。
「そうか…まぁ、たまにはこれで遊ぶのも悪くはないと思うがな。なぁ、鷺よ。二人で組んで、何ぞまともな商売でもせんか?お互い一人じゃやりにくかろう。」
「ん、それもいいな」
冬の夜風にぶるりと身を震わせながら答えた。
籠が来て、兵衛と別れ、一人るいさんの家に帰る。