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弓月 舞 after story 集
第4章 もしも企画《 教師編 》第二弾
やっとこの保健室も、本来の静けさを取り戻した。
“ 何だったんだあいつらは…… ”
こうして一旦 落ち着いてみると、グラウンドからだろうか…テレビのCMで聞いたことのあるような音楽が、微かに耳をかすめる。
篠田によると今は体育祭の練習時期らしいから、それに使う曲だろう。
“ よくやるよな、生徒達( アイツラ )も ”
市ノ瀬は自身の学生時代を振り返った。
中学、高校と、体育祭の練習なんてした記憶がない。もちろん本番も欠席だ。
真面目に演技している同級生を
端から見下しているような生徒だった。
「ふっ…俺の方がよっぽどガキだったってことか」
今なら…それが理解できる。
カタン
「──…」
不意に、教室の奥から物音がした。
それを聞き逃さなかった市ノ瀬は、出入口の扉から目を離して後ろを向く。