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弓月 舞 after story 集
第4章 もしも企画《 教師編 》第二弾
「気分はどうだ」
「少し眠ってましたから……だいぶん、楽になりました」
「…ほとんど眠ってなどいないだろう…。ずいぶん騒がしかったからな」
季節外れな風邪をこじらせて保健室で休んでいた彼女は、矢崎柚子。
市ノ瀬はいまいましげに悪態をつきながらベッドの縁に腰を下ろした。
「保健室を何だと思っているんだあいつらは……。まともな用も無しに、のこのこと」
「…口が悪いですよ、先生…っ」
「お前も、文句のひとつでも言えばいい」
「わたしは平気です……コホッ」
市ノ瀬が座ってきたので、彼女は横に身体をずらした。
苛つく彼をなだめるような言葉を──。
…でもやっぱり、咳は止まらない。
「──…平気?馬鹿を言うな……、柚子」
「……!」
咳き込んだ彼女の顔に手を伸ばした市ノ瀬。
顎の下に指を入れて自分の方に向けさせると、驚く彼女に声を出す隙も与えず──
そっと、顔を覗きこむ。
「…せん…せ……//」
「……ふん、顔が赤いな」
ベッドについた片手が、柚子を腕の中に閉じ込める。
顎に添えられていた指はそのまま額へと滑った。