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弓月 舞 after story 集
第5章 サディスト兄弟 釣り日和

スミヤ「海なんだからカモメくらい鳴くでしょう」
ハルト「そこじゃねぇ。俺が言ってんのは…なんで俺が海に連れてこられて、この小せぇ舟にお前らと一緒に乗せられてるのかって話だ」
スミヤ「釣りをするためだよ」
ハルト「だから…ッッ」
カルロ「…五月蝿い、ハルト。…カモメのBGMが…台無しだ」
ハルト「──…!! 」
クー、クー…
ハルト「お前は納得してんのか?」
カルロ「──…無論、していない…。…何故俺がこんな寝苦しい所に……ファァ…」
スミヤ「そもそもの発端は兄さんでしょう」
カルロ「…?」
スミヤ「兄さんがミレイに言ったんじゃないの?秋と言えば秋刀魚( サンマ )。天然の秋刀魚を食べさせろって」
カルロ「…、言ったかもしれない…」
スミヤ「彼女が困っていてね。このご時世、養殖ばかりで天然物なんて出回っていないし…」
ハルト「それで俺らで釣るのか」
スミヤ「そう」
ハルト「カルロのせいじゃねぇかよ!お前がひとりで釣ってこいよ!」
カルロ「……っ、五月蝿い…!! 」

