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弓月 舞 after story 集
第6章 忍び寄る陵辱の影(改稿版)
───
人影のない大学の廊下。
そこにある研究室か物置か──明かりも付いていないその部屋の前で、柚子は眉を潜めた。
「案内……、ありがとうございました」
とりあえず、彼女をここまで連れてきた男に礼を言ってから、柚子は恐る恐る扉を開けた。
キィ..
「……誰も、いないの?」
窓のブラインドが閉まっており、外の光も射し込まない暗がりの部屋──
柚子の予想に反して人の姿はなかった。
しかし、少しずつ奥へと進み目を凝らすと
「……?」
奥に置かれた机の上に光る物が見えた。
「写真…?」
机上に数枚の写真が散らばっている。
これは何だろう。柚子はそのうちの1枚を手に取り、携帯のライトで照らしてみた。
光沢のある写真の表面が光を反射する。
そこに、写っていたのは
「──…!」
裸の、自分。
「こ、これ…っ…!!」
その写真の中には、全裸の自分がいたのだ。
衝撃的な光景が彼女から悲鳴すらをも取り去ってしまう。
その…
足をM字に開いた彼女の姿はあまりにも卑猥で、言葉に尽くしがたいものだった。
「ひっ…ッ」
柚子は反射的に写真を床に放り投げた。
.....
「あーあ」
すると、部屋に男の声が響く。
柚子はとてつもない寒気とともに後ろを振り返った。
「──…!?」
先程の男が、いつの間にか一緒に部屋に入っている。
「あ、あなたは…っ」
「ダメじゃないか投げたら。僕が一生懸命作ったのに」
「…!!」
「これ合成なんだよ! ご、う、せ、い。全然わからないでしょ!?」
男は興奮した様子で、まるで子供が親に自慢するように嬉しそうに話し始めた。
「僕は沼田トオル。トオル君って呼んでよ」
沼田と名乗ったその男はメガネの奥をぎらつかせ、怯える柚子に向かってゆっくりと歩み寄る。
「これから…ふふ」
「…ッ」
「僕のおもちゃになるんだからさぁ」
「や‥いやああ!」
柚子は、自分を掴もうと伸びてきた手を払いのけた。