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弓月 舞 after story 集
第6章 忍び寄る陵辱の影(改稿版)

払うと同時に、相手の腕を後ろ手に固定した。

まさに早業(ハヤワザ)。柚子が身に付けている護身術のひとつだ。

「つゥー! いてぇー!」

予想外の抵抗に沼田は面食らう。

「あ、あなたの仕業なの? この…っ…写真は」

思い出すだけでも襲う吐き気に耐えながら、柚子は沼田を問いつめた。

「ハハッ、柚子ちゃんをちょっと隠し撮りさせて貰ってね。手持ちのエロ画像と合成してみたたんだ」

「これ、どうするの…」

「それは君の態度次第さ。いてっ!…とりあえず離してよぉ」

「……」

離して、なんて言われたところで…。離せるわけがない。

柚子は逆に、固定した腕をギリギリと捻った。

「いっ痛ええ! はぁっはぁっ…いいのかい? そんな事して。こ、この写真が大学中にばらまかれることになるぞ…!」

「……!!」

しかし、沼田のその言葉に手の力が弱まる。

「こんなの誰も信じない…」

「どうだろうね」

沼田は醜くひひっと笑う。

「今話題の柚子ちゃんの…こんな写真がでてきたら、大学中の男どもが興奮するだろうな」

「なんて恐ろしいことを…!!」

男の醜悪な企みに、青ざめる顔。

「そんなの、嫌です!」

「僕だって出来ることならそうしたくない、だからこうやってチャンスをあげてんだよ……ヒヒッ」

「…っ…チャンス?」

「大丈夫、優しくしてあげるからさあ」

「……!」

「それともバラまく!? え? みーんなにこのエッチな写真を見せびらかしたいのー? あ、ちなみに、いま人を呼んでも同じことだから」

この男の目的は何となくわかってしまった。

「早く離しなって」

もう

絶望的だった…。

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