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恋花火***side story
第9章 SAYONALOVE
「何やってんの、おバカ!」
しばらくして、茜が身柄を引き受けに来た。
「…なんであたしなのって?不満そうな顔しないでよね。」
茜はスイから連絡がいったらしい。
本当、どいつもこいつもいつのまにか連絡先交換してるんだな。
「…茜」
「あん?」
返事がヤンキー風味。
「…おまえなんでいつもこうやって助けてくれんの?」
俺なんか
バカでガキで
泣き虫だし
なにひとつ良いところなんかないのに
「…わからん。」
「わかんねーのかよ…」
まぁ期待はしてなかったけど。
だけどこのゆるい空気が今はちょっと心地良い。
茜には散々ダサいところ見せてるし
頑張らなくてもいいから、すげー楽だ。
「…あたし、すごい辛かったとき助けてくれた人の事忘れないから。」
「どういう意味?」
「鶴の恩返し的な?」
「ごめん全然わかんねー」
茜はため息をついた。
「理解力なくてどーもすいませんね。」
「ほんとにね。超イラっとする。」
「カルシウム取れば。」
「陸もね。」
「俺牛乳あんまし飲めない。」
「あたしも。」
「ダメじゃん。」
目が合って、可笑しくて笑った。
「えい。」
かと思ったら、急にデコピンされた。
「なにすんだよいきなり…」
茜はズルい笑顔で笑って
「4月からまたよろしくね。」
そう言ってきた。
「4月?」
その問いに茜は答えなかった。
けれどその謎はすぐに解ける。
4月、高校の入学式。
「なぜここに。」
「てへへ。」
茜も同じ高校だった。
新しい生活の始まり。
エリカのおかげで入学出来た、この高校の門をくぐる。
"あんたはサッカーのことだけ考えればいいの"
ヨレヨレのミサンガをポケットに入れて
新しい生活が今、始まる。
しばらくして、茜が身柄を引き受けに来た。
「…なんであたしなのって?不満そうな顔しないでよね。」
茜はスイから連絡がいったらしい。
本当、どいつもこいつもいつのまにか連絡先交換してるんだな。
「…茜」
「あん?」
返事がヤンキー風味。
「…おまえなんでいつもこうやって助けてくれんの?」
俺なんか
バカでガキで
泣き虫だし
なにひとつ良いところなんかないのに
「…わからん。」
「わかんねーのかよ…」
まぁ期待はしてなかったけど。
だけどこのゆるい空気が今はちょっと心地良い。
茜には散々ダサいところ見せてるし
頑張らなくてもいいから、すげー楽だ。
「…あたし、すごい辛かったとき助けてくれた人の事忘れないから。」
「どういう意味?」
「鶴の恩返し的な?」
「ごめん全然わかんねー」
茜はため息をついた。
「理解力なくてどーもすいませんね。」
「ほんとにね。超イラっとする。」
「カルシウム取れば。」
「陸もね。」
「俺牛乳あんまし飲めない。」
「あたしも。」
「ダメじゃん。」
目が合って、可笑しくて笑った。
「えい。」
かと思ったら、急にデコピンされた。
「なにすんだよいきなり…」
茜はズルい笑顔で笑って
「4月からまたよろしくね。」
そう言ってきた。
「4月?」
その問いに茜は答えなかった。
けれどその謎はすぐに解ける。
4月、高校の入学式。
「なぜここに。」
「てへへ。」
茜も同じ高校だった。
新しい生活の始まり。
エリカのおかげで入学出来た、この高校の門をくぐる。
"あんたはサッカーのことだけ考えればいいの"
ヨレヨレのミサンガをポケットに入れて
新しい生活が今、始まる。