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恋花火***side story
第40章 初恋*Riku
「……本当にありがとう」
俺の口からはやはり、謝罪ではなく感謝の言葉ばかりが溢れてくる。
「ふふ。変なのー」
エリカはクスクスと笑った。
そして声を低く、少し潜めたようにした。
「……覚悟、決まったんだ?」
エリカもまた、声だけで俺の気持ちを汲み取る。
不思議だ。
2年前、ほぼ毎日同じ時を過ごし、同じ物を食って同じ空気を吸って
身体をひとつに溶け合わせていたあの頃よりも
電波でしか繋がれない今の方が、互いの胸の内がわかるだなんて
「……守りたい人がいる」
自分でも驚く。サラリと口から出たことに。
「守りたいんだ、どうしても。……いいかな」
何故エリカに聞いているのか、自分でもわからない。
わからないけど、でも。
「いいんじゃない」
エリカもまた、サラリと答えてくれた。
「エリカ……ねぇ、エリカ。俺、明日頑張るから」
「うん」
「だからエリカも……その、好きな奴いるみたいだし。……が」
「頑張れとかウザい。あたしも言ってやんない」
なんでガキのあんたに応援されなくちゃいけないのよ、と。
エリカはボヤいた。
……エリカは、もうちょっとポーカーフェース鍛えた方がいい。
いや、今は電話だから顔は見えないんだけど。
2年前のがずっとうまかったよ?ポーカーフェース。
「言われなくても私も頑張ります……幸せになるために。大人になるために。だからあんたも」
プツッ
ツーツーツーツー
……なんか知んないけど、電話がいきなり切れた。
本当にエリカは、俺に頑張れという言葉はくれなかった。
エリカらしい。
俺は電話をベッドにポンと放り投げた。
そして
白い紙を、細かくちぎって
バーッと一気に
窓から、空へ撒いた。
夜空に、白い花びらが舞う。
……今日は満月だ。
あの子も、見ているだろうか。
俺の覚悟は
月とエリカだけが知っている。
俺の口からはやはり、謝罪ではなく感謝の言葉ばかりが溢れてくる。
「ふふ。変なのー」
エリカはクスクスと笑った。
そして声を低く、少し潜めたようにした。
「……覚悟、決まったんだ?」
エリカもまた、声だけで俺の気持ちを汲み取る。
不思議だ。
2年前、ほぼ毎日同じ時を過ごし、同じ物を食って同じ空気を吸って
身体をひとつに溶け合わせていたあの頃よりも
電波でしか繋がれない今の方が、互いの胸の内がわかるだなんて
「……守りたい人がいる」
自分でも驚く。サラリと口から出たことに。
「守りたいんだ、どうしても。……いいかな」
何故エリカに聞いているのか、自分でもわからない。
わからないけど、でも。
「いいんじゃない」
エリカもまた、サラリと答えてくれた。
「エリカ……ねぇ、エリカ。俺、明日頑張るから」
「うん」
「だからエリカも……その、好きな奴いるみたいだし。……が」
「頑張れとかウザい。あたしも言ってやんない」
なんでガキのあんたに応援されなくちゃいけないのよ、と。
エリカはボヤいた。
……エリカは、もうちょっとポーカーフェース鍛えた方がいい。
いや、今は電話だから顔は見えないんだけど。
2年前のがずっとうまかったよ?ポーカーフェース。
「言われなくても私も頑張ります……幸せになるために。大人になるために。だからあんたも」
プツッ
ツーツーツーツー
……なんか知んないけど、電話がいきなり切れた。
本当にエリカは、俺に頑張れという言葉はくれなかった。
エリカらしい。
俺は電話をベッドにポンと放り投げた。
そして
白い紙を、細かくちぎって
バーッと一気に
窓から、空へ撒いた。
夜空に、白い花びらが舞う。
……今日は満月だ。
あの子も、見ているだろうか。
俺の覚悟は
月とエリカだけが知っている。