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思い出のアルバム
第14章 悩みの末に

「修ちゃん……ヘタ!!」
「うるせー!!偶然だ!!」
帰ってきて、2人で夕飯にオムライスを作ることにした。
修ちゃんに卵を割ってもらおうとしたら、1つめちゃくちゃになってしまった所だ。
「いつもは出来るんだよ?」
ずっとそんな事をブツブツ言っている。
「はいはい、わかったから。修ちゃん卵はフワフワ半熟にする?」
「おう!!」
卵は私が焼いた。
家で作ったり、ママに教わったりして、
いつの間にか料理は、ほとんど出来る様になっていた。
「やっぱり沙織が作ってくれると美味い!!そっちの道進めば?」
オムライスを口いっぱいに頬張りながら、修ちゃんが言う。
「私のは普通の家庭料理だもん……好きな人のために作れればいいし、その人が美味しいって言ってくれるだけでいいのー」
そう。
別にそれを仕事にしようなんて思わない。
ただ……作ったものを食べた修ちゃんが“美味しい”って言ってくれるだけで…。
「そう?なんかもったいないなー」
そして、きれいに全部平らげてくれた。
洗い物をしていると、後ろからフワリ抱きつかれる。
「沙織の……感触久しぶり…」
「感触って…ペットかい……」
「ペットでもいいかも……俺の癒やし……」
そう言って、ゆっくり唇が近づき……
久しぶりの…修ちゃんの唇の感触を感じた……。
今日1日を……全て洗い流してくれるかのような思いになる……。
全て今は……忘れていたい…。
朝あった事、あの女との事、あの女が最後に言ってた…考えといてって事の…真相を……。

