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夢のその先…
第15章 不穏な動き
匡哉の豹変を…
知っているのは時々連絡を取り合う
若葉と一部の友だけだった
若葉は心配していた
匡哉が壊れてしまわないか…
1度は…愛した男だ
別れた今の方が…お互いフランクに何でも話せる存在になっていた
皮肉だね
若葉が言う
匡哉も、皮肉だな…と、笑った
案外…僕達は似ていたのかも知れない
匡哉が言うと…若葉は…それ、私も思った!
と笑った
恋人同士の時には見えて来ぬ事が
距離を取った関係になると
悪友の様な関係になる
匡哉と若葉は…似ていた
趣味も思考も似ていたから…
互いが一番解り合える存在なのだと…
互いを選んだ
見方を変えれば…同族なのだと知れるのに
その若葉すら…
匡哉の変貌には驚いていた
明るく社交的な匡哉が…
寡黙で無口な男になろうとは…誰も想像など出来なかっただろう
苦悩に満ちた…匡哉を
若葉は…黙って見ているしか出来なかった
誰にも…
匡哉は救えない
匡哉の孤独は…そう告げていた