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夢のその先…
第6章 居場所
幸枝は
「我が死ねば…朝陽に逢える
それまでは…我は守り通す!
聞いても答えぬ!」
と、何も言う気はないと宣言した
瑞恵は…「母さん…」と情けなく呟いた
幸枝も90を越えて…
その命は風前の灯…だった
黙っていても…
朝陽の居所は解るかも知れない
でも…朝陽の居場所が解る日
母とは永遠の別れになる…
そんな辛い…
日など…来なければ良い
朝陽に逢いたい
自分の生んだ娘だもの
逢いたくない筈などない
だけど…逢える日は
母親の葬儀の日だなんて…
想いたくない
瑞恵は…声を上げて泣いた