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この出会いは…
第1章 最悪な出会いと最低な再会
それから二週間ほどが経って、仕事が忙しくなった。
美怜が言っていたマーケティング部門の案件が無事にまとまったらしい。
新提携とマーケティング事業拡大について。
今度はそれを広報部が社内外に"広報"していく。
私はまだまだメディア関係の方と接触する機会も少なく、コネもないので、社外広報よりは社内広報に携わることの方が多い。
今回もそう。社内報の担当になった。
「最近、残業続いてるな…」
会社のエントランスを抜けて外の空気に触れた瞬間に、思わずため息が出た。
九月になったとはいえ、残暑厳しい熱帯夜。
残暑と言っていいのかと思うような暑い日々が続いている。
お腹も空いたし、早く帰ろう。
やや早歩きで駅まで歩き、改札を通ってホームに出ようとした時に『知花ちゃん』と声を掛けられた。
振り返った先には一ノ瀬さんがいて、笑顔でこちらに歩いてくる。
「二週間ぶりくらい…だよね?今帰り?」
「は、い。」
つい身構えてしまう。悪い癖だな。
「広報は今、忙しいんだ?」
「…えっ、は、はい。」
うぅ、ダメだ。声が上ずる。
いきなり二人で話すとなると、言葉が喉に絡まって上手く出てこない。
「あの、らっ来期からの新提携に向けての…、その…広報で。えっと、私は、社内報担当なんですが、…あの、なかなか先方とのアポイントが上手に取れなかったり…で。」
あ。で、まで言ってさらに固まった。
私、何いきなり聞いてないことまで話し出してるんだ!
美怜が言っていたマーケティング部門の案件が無事にまとまったらしい。
新提携とマーケティング事業拡大について。
今度はそれを広報部が社内外に"広報"していく。
私はまだまだメディア関係の方と接触する機会も少なく、コネもないので、社外広報よりは社内広報に携わることの方が多い。
今回もそう。社内報の担当になった。
「最近、残業続いてるな…」
会社のエントランスを抜けて外の空気に触れた瞬間に、思わずため息が出た。
九月になったとはいえ、残暑厳しい熱帯夜。
残暑と言っていいのかと思うような暑い日々が続いている。
お腹も空いたし、早く帰ろう。
やや早歩きで駅まで歩き、改札を通ってホームに出ようとした時に『知花ちゃん』と声を掛けられた。
振り返った先には一ノ瀬さんがいて、笑顔でこちらに歩いてくる。
「二週間ぶりくらい…だよね?今帰り?」
「は、い。」
つい身構えてしまう。悪い癖だな。
「広報は今、忙しいんだ?」
「…えっ、は、はい。」
うぅ、ダメだ。声が上ずる。
いきなり二人で話すとなると、言葉が喉に絡まって上手く出てこない。
「あの、らっ来期からの新提携に向けての…、その…広報で。えっと、私は、社内報担当なんですが、…あの、なかなか先方とのアポイントが上手に取れなかったり…で。」
あ。で、まで言ってさらに固まった。
私、何いきなり聞いてないことまで話し出してるんだ!