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第14章 奇跡的で必然な出逢い

「はぁ…みんな直ぐに知花ちゃんの事を好きになるんだもんな～」

隣からボソッと呟く声が聞こえる。
それは、なんだか…拗ねたような声だった。

祐さん？
どうかしたのかな？

思わず隣を覗き見た。
視界に入った祐さんは、ソファーに深く座って背もたれに寄りかかり、顔は天井を仰ぎ見るような格好をしていた。

「……祐さん？」

名前を呼んで、目が合った。

「ははっ、そんな顔しないで。知花ちゃんが不安になるようなことじゃないから。」

「はぁ……」

じゃあ、どうして…？

「俺がちょっと不安になっただけ。」

そう少し笑って、また天井を仰ぎ見る。

えっ…？
なんっ、で……
驚きの衝撃と、なんて返していいか分からなくなって、口を開けたまま固まった。

「ふふっ。まぁ、不安っていうか、ヤキモチ？…やいてる。」

「な…んで……？」

「知花ちゃんのいいところが、ぜーんぶみんなに知れ渡るのは…なんか、嫌だ…」

祐さんも私を覗き見るようにチラッと目が合った。

「そのうち、知花ちゃんの周りの男たちが、知花ちゃんに近づいて来ないか心配…」

「そんなっ…そんな事っ、ないですよっ。」

思いもよらない告白に、慌てて首を振って否定する。

「…あるよ。だって、俺はそうやって近づいた男の一人でしょ？」

あ━━━…

「ね？だから、この先心配……」

いつの間にか向かい合って座っていて、祐さんが伸ばした右手が、私の頬をくすぐった。