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LOVE SCENE
第1章 春はそこまで
甘い気怠さの中、ぼんやりと紫煙を見つめる春海さんを見ていたら、またもよおした。

うつ伏せで肘をついた背中のカーブがすごく綺麗で、肩甲骨に唇を寄せると

「お前…そのやる気を片付けに回せ」

頭の天辺をゲンコツでグリグリされる。新しい突っ込みだ。

「い、痛いです」

脳天から染み渡るジンジンした感覚に「この痛みすら愛しいって、俺はもう完全なる変態だ」と悶えている所でスマホが鳴った。

「あ、母さん…」

思わず春海さんの様子をチラ見してしまった。
そんな俺に優しい顔で「出ろよ」と即してくれる。



正月の休みに、渋る春海さんを説き伏せて、俺たちはふたりで俺の実家に帰省した。

『会わせたい人』と伝えてあった相手が男だということに、両親は腰を抜かすほど驚いていた。

覚悟はしていたけれど、絶句する両親を見て、春海さんのいう『茨の道』の始まりに俺は少し怯んだんだ。



「申し訳ございません。 優真くんとこういうことになったのは、すべて私の責任です」

土下座して俺との事を詫びた春海さんに、俺はショックを受けていた。

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