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禁断の果実に口づけを
第20章 道標
新しい飲み物が届き、改めて乾杯をする朋子と真雪。
朋子は今日の優美子との修羅場を真雪に話した。
「優美子さんもやるわね!
やられた朋子さんは大変だっただろうけどさ…」
真雪は優美子と細川の事は敢えて黙っていた。
それを逆手に取って朋子が仕返しするとは思わないが、不倫は倫理違反なんだという事を十分に理解し、この先、健とどうなるかは分からないが正しい選択をして欲しいと願ったからだ。
「堪えましたね。
まさかと思う事や天罰がいきなりやって来ましたから…。
みっともなく泣き喚いて、その挙句、嫌いな上司に逆切れして喧嘩まで売ってしまいました。
もう、クビかもな……」
「あらやだ。朋子さんって意外と気が強いのね。
優美子さんとバトって上司と喧嘩?
やるじゃない!
ならさ、今度は自分を必要としてくれる仕事や会社を選びなさいよ!
あなたの強気と本気を発揮出来る場所を見つけるのよ。
保険屋以外やりたい事ないの?」
「亡くなった夫は、板前だったんですよ。
いつかお店出したいねなんて夢見てたんですけどね…。
夢は叶う事もなく、私や娘を置いて旅立ってしまいました」