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禁断の果実に口づけを
第28章 毒リンゴ
洋子が支社から営業所に戻ると、営業所員は外に出払っていて静かな空間となっていた。
時刻はお昼を少し過ぎたくらい。
営業所員達は、職域(自分に与えられた職場訪問=仕事の一環)に行ったり、個々にランチを取ったりする時間でもある。
洋子も余り食欲もなかったが、コンビニで菓子パン二つ買い、昼食を営業所内にある休憩室で取ろうと思っていた。
休憩室にはコーヒーサーバーが設置されていて、この営業所で働く者は自由に飲む事が出来た。
『コーヒーでも飲みながら、頭を整理しないと…』
洋子はそんな事を思いながら、暫しボッーと考える時間を確保する為、休憩室に入った。
ドアを開け休憩室に入ると、自分の天敵である川端伊織が居た。
他に誰も居ない。
一瞬、『今、一番会いたくなかった。ドア開けなきゃ良かった…』と後悔もしたが、開けておきながら『失礼しました!』とコントの様に後ずさりするのもおかしい。
仕方なく、菓子パンの入ったコンビニの袋をぶら下げ中に入った。