この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
鏡の中から…
第6章 変化
「僕を姉の所へ連れて行って下さい」
夏海は覚悟を決めて、暁也に問い質す
「連れて行ったら…どうすると言うの?」
「姉を…本来の場所に還したい
還れないなら…二人して彷徨おうか?」
思案して暁也は、愉しげに嗤う
雅龍が静かに…
「茜の中にいたご婦人は
もう…人には戻れはせぬ…」
悲しい現実を…暁也に伝える
暁也も…既に…人には非ず
「ならば…この家ごと…消し去ってしまおうか…
本宅に…連れて行ってくれたなら…
帰られるが良い
お前達が…離れて…暫くしたら…
総てを燃やす…」
長年…離れに閉じ込められ
悪魔と契約を結んだ体では
人として生きるのは無理だ
ならば…姉と共に…
黄泉へと旅立ちたい