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鏡の中から…
第8章 始まり
「解った!
お前がやり残す人生の後を引き継ごう!」
「お兄ちゃん…ありがとう…」
夏海が涙ぐむと…
「泣くな!本当にお前は何時も面倒な事だけは…僕に押し付けるんだからね」
春海は妹の頭をクシャっと撫でた
「神楽は僕が引き継ぐ!
お前の子供は…僕の子として育てる
何時か僕が結婚をしたとしても…
僕の子供の長男は…お前の子供と決める」
春海の覚悟の宣言だった
夏海は…兄に…頭を下げた
母 香住は
「夏海、母も神楽を守る礎になる覚悟はあります。
お前が残す…お前の子供を、誰よりも愛し
お前の代わりに…不自由な想いはさせない
夏海…お前に変わって…愛して行きます」
と、覚悟を告げた
龍と交わり…龍の子を産む…
目の前の雅龍は…
人間に見えた
だけど…雅龍は戸籍も持たぬ…
何百年も…生きて…神楽に仕えた龍だ
その龍の子を産むと言う事は…
その命を懸けねば…
出来ない事なのだろう…
夏海は…
その道を受け入れ…
選んだ
ならば…遺される者は…
それを守るしかない…