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鏡の中から…
第10章 宝物


夏海は…雅龍に凭れ掛かって…

うとうと眠っていた

診察室から出ると夏海は

「3ヶ月(10週)だって…」と嬉しそうに雅龍に告げた

雅龍は飛び上がり、夏海を抱き締めた

「本当に?」

「うん。本当。」

「と言う事は?」

「今 8月でしょ? 3月が出産予定だって」

「3月…後、7ヶ月か…」

「待ち遠しいね」

待ち遠しい…

だけど…

早く来て欲しくはない…

複雑な…想いを抱え…

雅龍は…夏海を抱き締めた

その時、夏海の、瞳にお婆様と香住の姿が見え

手をふった

「お婆様、母さん」

お婆様と香住は夏海の側に行き

おめでとう

と、言葉にした


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