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鏡の中から…
第11章 母になる
「親になるのですよ…こんな泣き虫で…どうするのですか…」
白龍が雅龍の涙を拭い…
お婆様と香住に深々と頭を下げた
「雅龍の母の白龍と申します
雅龍の親として、夏海さんの…孫の顔を見に参りました」
「雅龍の父の黄龍と申します
本来…私達は人の世に現れてはならぬ存在
今回は特別に…許可を得て参りました」
許可を…得て…
それだけで…着実に…雅龍と夏海の行き先が…用意されつつあるのを感じずにはいられなかった
お婆様は「わざわさ遠い所をご足労であった…」と労った
香住は「夏海の母に御座います」と挨拶をした
雅龍の両親は…一見…人にしか見えなかった
だが、その姿は…紛れなく龍なのだと…感じていた
黄龍の髪は…やはり隠せず…金色の雅龍の髪を、少しだけ鈍くした…黄色に近かった
白龍の髪は…白髪…嫌…銀髪に近く…
二人は外人に見えた