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鏡の中から…
第11章 母になる
「親父殿…母上…何故?」
雅龍が問う
黄龍は苦笑して…
「お前に逢いに来た…と言わなんだか?」
息子の髪を、くしゃっと撫でた
「お前が人の世に見聞録に行き…
1000年が過ぎた…
お前が選んだ道だ…
私達は…何も言わず見守ってきた
その間…私達が何も想わないでいたと想うのか?」
黄龍の言葉に…
子供を見送った…親の苦悩が伺える
親になる今なら…
親の苦悩が解る
雅龍は…「親父殿…」と言い…
言葉を詰まらせた
白龍は、雅龍を抱き締め
「お前は…魔界に飽きておった
つまらぬ顔で…日々生きていた
だから送り出した…
お前が何時か…戻って来ると信じて…
何も言わず…待っていたのです…」
今更ながらに知る…親の愛だった
雅龍は堪え切れず…涙を流した