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鏡の中から…
第13章 また明日
戸浪海里と妻の沙羅は、夏海と雅龍に深々と頭を下げた
「誰よりも愛します
この命を懸けて護ります!
ですから…貴方の大切な煌星を、私共に預けて下さい!
お願いします!」
心より…そう願い
夏海と雅龍、その家族に伝えた
夏海は、そんな二人を見て
運命なのだと…実感する
望まれて…迎えられる
そしてトナミを担う礎になる
それが煌星の定め
「煌星と言います
名前は変えないで下さい」
夏海は戸浪へ想いを投げ掛けた
「はい!総て承知しております
総て、貴方の想いのまま迎え入れたいと想っております
今後も貴方の異に反する事はしない所存です!」
それを聞き
夏海は安堵する
そして、漆黒の髪をして蒼と赤の瞳を持つ子を腕に抱き
「この子は神楽 凰星
煌星の弟です
煌星と凰星、二人は同じ星を持つ存在
煌星が太陽なら、凰星は月となる
この二人が共にいると…凰星は煌星の影に隠れて…光を失う
今から…高校に上がる頃まで…凰星は隠れるが周期
それは本意ではない
私は神楽の為に子を成した
どの子も…私の大切な宝!
でも共に輝けないのなら…離す定め
煌星の星は…貴方の元で輝くと出ている
凰星は煌星と離れる事で
本来の光を放つ
本当なら!
離したくなどない
離れたくなどない!
でもこの命も…期限を迎え…
我が子の先を示さねばならぬ時が来た
だから、見定めさせて貰いました
煌星を…
どうか宜しくお願い致します」
夏海はそう言い深々と頭を下げた