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鏡の中から…
第3章 紹介
「普通、跡取りは長男じゃない?」
夏海は納得が行かないと…ボヤいた
春海は「僕は無理でしょ?力がないよ」と笑った
「お兄ちゃん、ずりぃ!」
「お前は…力もなく産まれた者の苦しみなど…解らないだろ?」
春海は…普段見せぬ顔を見せ…夏海を睨み付けた
「神楽の人間ならば、力を持って当たり前
力がないと言うと…神楽の人間なのに…と残念がられる
そんな僕の心なんて知らずに…言うのは許さない!」
春海の言葉に…
夏海は言葉を失った
何時もの兄と違った…
穏やかで優しい兄
その兄が…神楽に産まれて力なしとして生きて来た
その苦悩を…知らなかった