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鏡の中から…
第13章 また明日
夏海は…凰星を抱き締め…泣いていた
凰星の瞳が…金色と真紅の色を放つ
凰星の瞳は…段々成長と共に…金色から青へと変化を遂げた
赤から…紫に変わり…
黒へと近づく
幼稚園に入る頃には…黒へと落ち着くだろうと…
香住が言っていた
夏海も真紅の瞳で生まれ
時と共に…黒く変化を遂げた
だが、感情と共に…本来の瞳の色が姿を表す
今…凰星は怒っていた
怒りの感情を露にして…
凰星の瞳は、金色と真紅の光を放っていた
何かを感じて…
何かに怒っていた
「凰星…」
夏海が泣く…
涙を溢れさせて…夏海は泣いていた
凰星は…そんな母を見て…
悲しみに染まった…青と赤の瞳を揺らしていた
「凰星…ごめんね」
夏海はそう言い…
何時までも、凰星に謝っていた
凰星も…泣き疲れて眠るまで…
夏海の胸の中で…泣いていた
半身を…なくした
凰星が半身を…なくした日…
言い表せない…怒りに震えた
この身を…
半身を削ぎ落とされる…痛みに泣いた