この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
鏡の中から…
第13章 また明日
眠りに落ちた我が子を腕に抱き
ベッドに寝かせる
額にキスを落とし
「煌星…凰星…」
また明日。おやすみ…と言い掛けて…
言葉を飲み込んだ
毎晩二人に送った言葉
『 煌星、凰星、また明日、おやすみ』
愛しき子にキスを落とし
明日を信じて、電気を切った
また明日…信じて疑わなかった時間があった
もう夏海には…二人を寝かせる…夜は…二度と来ない
おやすみ…と言い
寝かせる…夜は来ない
淋しさが…夏海を襲う
覚悟はしていたのに…
突き付けられる現実に…
心が着いて行けなくなる…
雅龍は凰星を抱き上げ、夏海を促し
子供部屋を出た
夏海の寝ている部屋に行き
夏海を寝かせると凰星を横に入れた
自分の布団も、その横に敷くと…
親子で川の字になって寝た
何時か…
何時か…巡り会える時が…
必ず来るから…
その時は…また明日ね…って、煌星に言ってね
私達の分も…煌星に言ってね…
願いにも似た想いで…
夏海は…凰星を抱き締めた
雅龍は、二人を抱き締め…
明日を信じて眠りに着いた