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鏡の中から…
第14章 またね


翌朝 夏海は気怠い体を起こし

雅龍の頬にキスを落とした

それを受けて雅龍は、夏海の唇にキスを返した

「おはよー雅龍」

「あぁ…夏海…」

雅龍は久しぶりに聞いた…夏海の元気な声に

言葉もなく夏海を抱き締めた

「雅龍、遺された時間は今日だけよ!
今日は結婚式を挙げたいのよ」

父 礼二がかねてから見たがっていた

夏海の花嫁衣装を…

忙しくて…日々置き去りにして来てしまった

体が弱ってからは…

そんな事もしてあげれる筈もなく…

礼二の想いだけ…置き去りにして来てしまった

だから、今

遺された時間の総てを使って

父の望みを叶える

昨日のうちに…夏海は貸衣装の予約を入れておいた

空いてる式場も借りた

「昨日のうちに手配はしておいたの
だから今日は式場に行ってね
結婚式を挙げるの!
雅龍、貴方と私の結婚式を挙げるのよ」

雅龍は驚愕の瞳で…夏海を見た

「本当に…?」

夏海は笑顔でそれを受け

「ふつつか者ですが…
末長く、宜しくお願いします」

夏海はベッドに正座して

雅龍に頭を下げた


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