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鏡の中から…
第16章 永久不滅
少し痩せた……康太が戸浪親子と神楽親子を出迎えた
「悪かったな呼び出したりして」
康太が言うと戸浪が
「構いません……康太……体調良くないのですか?」
「オレの命の灯火も……消えかかってる……
だから……煌星達が二十歳になったら……と想っていたが……少しだけ早めさせて貰った」
「………康太……そんな事は言わないで下さい…」
「若旦那……定めだ……」
戸浪は顔を覆って……涙していた
神楽春海は夏海を思い出していた
力ある者は……その命を削って……
日々生きているのだと……思い知る
「煌星、凰星、お前達にオレが逝く前に話しておかねぇとならねぇ事がある
もうお前達は気付いているんだろ?
自分が……戸浪や春海の子供じゃない事を…」
凰星は「はい!僕は……祖父母が教えてくれました……」と物心ついた頃に教えて貰ったと伝えた
煌星は「俺は……何も聞いてませんが……戸浪の中で俺だけが……この姿なのは違和感があり過ぎるので……何時か聞かせられると想っていました」と答えた
「お前達の両親は……お前達をこの世に産みだして一歳の誕生日にお前達を星の巡りの通りに見届けて……この世を去っている
本当なら手放したくなかった
だがな、凰星の星が、煌星の星に隠れるのを星で詠んで……引き離す決断をした
本当なら双児は引き離す事なく……育てたかった筈だ
しかも自分の手で……育てたかった筈だ
それが出来ねぇから……適材適所配置してくれとオレに頼んだ……
お前達の両親は心底……お前達を愛している
今も……見守っている」
煌星は康太に
「話して下さるのですか?
両親が何故俺達を手放した……かを?」
「あぁ、だから此処に来て貰った」
凰星が「では話して下さい」と頼んだ
「お前達の父親は人じゃねぇんだ……
それが…… 悲劇の始まりだった」
凰星は「……人じゃない……」と唖然と呟いた
「お前達の父親、雅龍は龍だ
魔界の生活に疲れて人の世に堕ち
神楽の守護神になった」
「………龍……なのですか?」と煌星は驚愕の瞳を康太に向けた
「そうだ!龍族の父親と人の母から……
お前達は生まれた……
人が龍の子を産む……
それは命を削って産むこととなる
夏海はそれを覚悟で雅龍の子を産んだ……
より強い力を神楽に遺す……
その使命と雅龍を命懸けで愛したからだ……