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鏡の中から…
第16章 永久不滅


「神楽の神器に入って、その神器に共鳴した者と契って……1000年……神楽の神器の中にいた」

煌星は「……龍と人とは……交われないのですか?」と尋ねた

「龍は人ではない……
龍は母の腹を切り裂いて……産まれる……
ましてや双児で産まれる事は滅多とない……
お主達は……異例な存在なのだ……
人が龍を産むのは命懸けで……
その寿命削ってこの世に誕生させる……
夏海はその命を削って……お主達を誕生させた」

「………逢いたいと……想わなかったのですか?」

煌星がなおも問い掛けた

雅龍は二つの鏡を……煌星に渡した

「これは?」

「見れば解る…」

煌星と凰星は鏡を覗いてみた

「「………あ………」」

二人は声を上げた

煌星の部屋が……

凰星の部屋が……

映し出されていた

二人は……この鏡から我が子を見ていたのだ……


「………片時も……忘れた日はない……」

雅龍は夏海を引き寄せて……そう言った

夏海も「私の子供だもの……忘れた日なんてないわ!」と言った

「………でも……私は雅龍を選んだ瞬間から……
人の世にいられない定めを背負った
当たり前だよね……
雅龍は龍で……私は人だものね……
二人は相容れない存在だった……
私は……子供を産んだら……雅龍と二人消えるつもりだった……
康太の………恩情で……私は魔界で生きられる様になった
だけど……遺して来た我が子の事は……片時も忘れはしなかった
何時も見ていたいから……私は鏡を子供たちに贈った
決して許されない親だから……
影から見守ろうって決めた……」

夏海は泣きながら……そう言った

父と母の……心の葛藤が解る……

遺して来た日々の苦悩が解る……

凰星は胸を張り

「煌星、君に初めて逢った時……僕はずっと無くしていた半身を手に入れた想いを抱きました
双子なら……それも当たり前ですね」

と煌星をみた

煌星も胸を張り

「初めて凰星を見た時……他の誰よりも身近に感じた……
当たり前だよね?
俺とお前は元は同じ遺伝子を持ってるならな
納得出来た……」

そう言い夏海と雅龍の前に立った

そして深々と頭を下げた

煌星は夏海と雅龍に抱き着いた

「俺は…どこから見ても……父さんに似てる……」

凰星も夏海と雅龍に抱き着き

「僕も顔は父さんにソックリだ……
俺達のルーツが解って安心した……


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