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鏡の中から…
第16章 永久不滅


長生きしなきゃダメじゃない……」

置いて逝く哀しみは……

誰よりも知っている……

本当なら置いてなんて逝きたくはない

それでも逝かねばならない苦しみなら……

誰よりも知っている

夏海は……泣いていた

雅龍も泣いていた

康太の置かれた立場を想えば……

涙が止まらない


夏海と雅龍は康太を抱き……

「貴方の行く末が……安らかな日々であります様に……」

と祈りを捧げた

康太は夏海や雅龍から離れると

深々と頭を下げた


「暫し別れの時だ!」

夏海は気を引き締めて「はい!」と言った

雅龍も涙が止まらず「はい…」と答えた

「煌星、凰星、自分の両親の姿を忘れるな!」

「「はい!」」

二人は口を揃えて返事した

凰星は自分の首に下がっているネックレスを取ると…

「父さん、少し屈んで下さい」

と言い

屈んだ雅龍の首に……ネックレスをした

煌星も自分の首のネックレスを外すと

夏海の首に……そのネックレスをはめた

煌星は「還るその日まで我等の想いを閉じ込めて織り成したネックレスを置いて逝きます」と頭を下げた

凰星も「このネックレスは康太さんに教えて貰って作った想いのネックレスです
作ってる間中……父さんと母さんを想って作りました!」と告げ頭を下げた

「ならな、夏海、雅龍!」

康太が言うと夏海と雅龍は戸浪と春海を抱き締めた

「ありがとう若旦那……」

雅龍は思いの丈を込めて抱き締めた

「ありがとう兄さん……」

夏海も兄に思いの丈を込めて抱き締めた

「バカ夏……」

春海は夏海を呼んだ

ずっと呼んでた名前で呼んだ

夏海はニコッと笑った

「これより人の世に還る!」

康太が言うと……

暗闇に包まれた


そして飛鳥井の菩提寺の儀式の間の電気が徒もされた

「お疲れ様でした」

紫雲龍騎が康太達を出迎えてくれた

「龍騎、ありがとう」

紫雲は康太を抱き締めた

「お前のためなら……だ!」

紫雲はギュッと康太を抱き締めて……離した

「お前が逝くとき……我も共に逝く…」

「それは無理だぜ?龍騎
オレ達の子が軌道に乗るまで見届ける義務がお前にはある……」

「………口惜しい……共にしか望んではおらぬのに……」

「寿命は全うしろって事だ!
ならな、龍騎、オレは還る」

紫雲に見送られて……康太は還ることにした


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