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鏡の中から…
第16章 永久不滅
そして康太の方を向いて並ぶと
煌星と凰星は深々と頭を下げた
「人の世を終えたら……親子の名乗りを上げて暮らさせて下さい!」
「精一杯人の世を生き抜きますから……
その後は……産んでくれた人達と過ごしたい
一度も暮らす事なく生涯を終えるのだから…
死してからの願い位認めて下さい」
煌星と凰星の願いだった
康太は二人を射抜き
「約束しよう!
人の世を終えた瞬間……お前達の魂は夏海と雅龍の傍に……逝かせてやろう!」
と約束した
「お前達は元々龍の子だ
その魂一族に還るが良い
龍族の長も嫌とは言わねぇよな?
なぁ、黒龍」
「ええ!文句などつけませんとも!
なんたって炎帝が還せと謂うんだからな…
誰も文句は付けはねぇよ
俺がどうこう謂わなくても大丈夫だろ?」
と黒龍はボヤいた
康太は笑って
「と、言う事だ!」と告げた
凰星は「少し待ってて下さい!
そした貴方の元へ還りますから……」と言い
夏海を抱き締めた
煌星は「人の世を終えたらずっと一緒にいます」と言い
雅龍を抱き締めた
雅龍は泣いていた
夏海を苦しめた日々を悔やまないと言ったら嘘になる……
種族の違う夏海を愛した日から始まった……
雅龍の後悔だった
「………嘘みたいだ……」
雅龍は呟いた
「嘘じゃない!
まずは人の世を精一杯生きねばならないので、見守ってて下さい!」
と煌星が言うと
「人の世は高々80に届くか届かない……
僕は力を使うので長生きは諦めてます
そしたら還るので、ずっと一緒にいましょう!」
と凰星が続けた
夏海と雅龍は康太に深々と頭を下げた
「………こんな日が来るなんて……想ってもいなかった……」
雅龍は泣きながら康太にそう言った
「我慢させた分は大切にして貰え」
「………炎帝……貴方には貰うばかりで……何一つお返しも出来てないのに……」
「お返しなんて要らねぇよ
夏海を幸せにしてくれたら……それで良い」
夏海は康太の頬に手を当てた
「………随分……弱ってる……」
「オレの命も……尽きそうだからな……」
「………炎帝……貴方がこっちに来るのは……
一日でも遅い方が良い……」
「無茶言うな夏海……」
「……だって……康太にはこんな良い子達がいるじゃないの……」
「……夏海……」
「こんな良い子達の為に……