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鏡の中から…
第16章 永久不滅


康太はそれを見送り……

「いい子に育ったな夏海…」と呟いた

優しい風が康太を包んで……

通り過ぎて行った

「母ちゃん、おぶさっていいよ!」

流生は背中を出して合図した

「お!母ちゃんを楽ちんにしてくれるんだな」

康太は流生の背中によじ登った

一生が「大丈夫かよ?落とすなよ」と注意をする

「かじゅよりも俺は落ち着きあるって父さんが言ってた!」と言い流生は取り合わなかった

一生は「ちえっ……」と唇を尖らせた

それを回収して音弥が背中を押す

「かじゅ、拗ねてる暇なんてないよ!」

聡一郎が笑っていた

隼人も笑っていた

太陽と大空が、聡一郎と隼人の背中を押した

烈が榊原の背中を押した

「父さん、早くぅ、腹減りの母ちゃんは危険だってば!」

榊原は笑って「早く行きますよ!」と慎一を呼んだ

「慎一君早く!」

翔が慎一の手を引いた

この先も……

永遠に続けばいいのに……

この時が止まればいいのに……

康太と榊原と……

一生、聡一郎、隼人、慎一と子ども達の時間が優しく流れて行った……




康太と別れた煌星は

「父さん、案外ハードルは低かったな……」と笑って言った

戸浪は「……私は永久に……君をなくさないか……不安でした」と本音をポロッと零した

「俺は戸浪煌星!
兄は戸浪万里と千里
そして同い年の海がいて
父さんと母さんがいる
俺の道は曲がる事なく進む……
心配しなくても大丈夫だって!」

「……煌星……」

「それより…会議よりもお腹減ったよ父さん」

「何か食べて行きましょうか!」

「父さん、海と万里兄さん呼ばないと恨まれるかもね」

戸浪から千里はすでに出ていなかった

自分の道を千里は逝く

だけど我が子なのに変わりはない

時々遊びに来る千里と逢うことにしている

戸浪は幸せだと感じていた

煌星は自慢の息子だった

海も万里も千里も……自慢の息子だった

戸浪は万里と海を拾うと、ファミレスへと向かった


甘い父親だど戸浪は想っても……

ついつい甘くなるのは仕方がなかった

愛すべき子ども達なのだから……




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