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鏡の中から…
第16章 永久不滅


凰星は家に帰る途中でファミレスに入る提案をした

「父さん、仕事する前に何か食べる?」

「凰星……父さんはもうヘロヘロだよ」

「なら義母さん誘おうかな?」

春海は凰星が中学を卒業する年に結婚した

相手は凰星の担任の先生だった

弟と妹が生まれた

弟と妹は凰星に懐いて……

凰星は大切に育てられていた

「義母さん、お腹減ったのに父さんが食べさせてくれないよ!」
 
凰星は春海の妻に電話を入れた

『おーちゃん、春ちゃんに高いの食べさせて貰いな!
お小遣い全部使わせて構わないからね!』

「やった!なら義母さんも鈴も葉も一緒に食べようよ!
じぃちゃんとばぁちゃんも誘わなきゃな!」

結局、家族全員で行く事となる

凰星は優しく子に育っていた

「一旦家に帰らなきゃ!」 

凰星が言うと春海は我が家へと車を走らせた

妹が遺した大切な宝物だった






凰星と煌星の姿を……

何時も鏡の中から見守っている

優しい子になった

逞しい子に育った

「雅龍……いい子に育ったね!」

「……あぁ……手放さねばならぬ子だったが……
誰よりも愛しておる……子供だ……」

雅龍は金龍を腕に抱き締めて……

「………よく似てたな……我に…」語った

「本当にね……煌星なんて…雅龍にそっくり…
凰星も似てたね……」

夏海は思い起こし言葉にした

「………何時か……そばに来ると言ってくれた……」

「………ええ……言ってくれたね」

夏海の瞳から涙が溢れて零れた

雅龍はその涙を舐めた

「愛してる夏海……お前を苦しめてばかりですまない……」

「私は雅龍と生きたいと思ったの……
雅龍と共に……それしか願っていなかった……
だからこうして一緒にいられて幸せよ……
煌星と凰星は……手放さねばならなかったけど………我が子なれば……この命擲ってもいい……困った時には助けてやりたいと想ってる」

「我もそうだ……
あの子たちのためなれば……この命擲っても……構わぬと想っている…」

「………雅龍……私、何一つ悔いなんて遺してないから!
総て私が自分で選んだ道だから……悔いなんて遺してたまるかよ!」

夏海はそう言い笑った

その頬を涙で濡らしても……笑っていた

雅龍は夏海を抱き締めた


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