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鏡の中から…
第5章 伴侶の儀式
目を醒ますと…雅龍の顔があった
夏海は…金色の雅龍の瞳を見つめ…
ドキッとした
「目脂…ついてるかしら?」
デリカシーのない雅龍に言われる前に、言ってやる
「……ついてはおらぬ」
「なら、私の顔に何か着いてるかしら?」
そんなに見詰められたら…困る
じーっと…見詰められたら…
どうして良いか解らない
「着いておる」
「え?何?何が着いてる?」
夏海は慌てる
虫 なんて言われたら…洗えないのに…困る
「 目と 鼻と 口…がな」
…………それかよ!
「それ着いてなかったら、ムジナでしょ!」
失礼ね!
と、夏海が怒って立ち上がる
喜怒哀楽のハッキリした夏海を見ているのは飽きない
コロコロ表情が変わる
その一瞬さえ…
見逃しくたくない
そんな気持ちにさせていた
夏海は髪を結い直すと
気合いを入れた
『 伴侶の儀式3日目 最終日
最後まで乗り切れば、試練は終わる
最後まで気を抜くではないぞ!』
声が響き渡った
「当たり前じゃない!
最終日まで漕ぎ着けたんだもん!
最終日まで切り抜けるに決まってるじゃない!」
夏海は声にそう告げた
伴侶の儀式3日目は火蓋を切って落とされた