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偽りの身の上〜身代わりの姫君〜
第7章 エピローグ
――それから一ヶ月後。
「ちょ、ちょっと! ダメですよ! 今日は忙しいんです!」
「本当に駄目か?」
後ろから抱き寄せた緑の目が切なそうに私を誘惑する。
「う……その目はずるいです」
「まだ早い時間だろう」
そう言って、私の顎をすくい口付けを交わす。腰に回されたもう片方の手は、着たばかりのエプロンをあっさりと解き、ワンピースのボタンを開けていってしまう。
「ふ、……ん」
軽い口付けかと思っていたらどんどん深さを増して、ねっとりと舌先が私の歯列をなぞり、歯の裏側まで舐め尽くす。そうされるとすぐに腰に甘い揺らめきが生まれて、しがみつくように彼の首に腕を回した。
「ん、もう……だ、だめです」
少し拗ねたように彼を見つめる。
もう世界を厭うような重い前髪も、長い髭もない。彫りの深い愛しい顔が悪戯っ子のように笑う。
「遅れたら困ります」
「善処しよう」
そう言って私の唇を再び塞いだ。
大きな手が腰を引きせて抱き、片手は開いた胸元に侵入していく。もう腰の辺りには彼の熱い猛りが存在を主張していて、布越しの硬さを感じるだけで下半身が疼き出すのを止められない。
「ん、ふ……ンン、」
胸元からそろりと侵入していた指先は乳房の柔らかさを楽しむようにやわやわと揉みしだきながら移動して、最後にその先端を摘んだ。途端に甘い声が鼻から漏れてしまって、私は思わず腰を揺らした。
「もうこんなにして。期待していたのか?」
「は、あ……、うう」
乳首の先端をこねこねと指先で弄り、腰に回っていた手はスカートの下を這い、内腿をゆっくりと撫で上げた。
意地悪な言葉に恥ずかしくなって、顔を背けようと前を見ると、洗面台の前だ。鏡越しに、逞しい体に体を弄ばれるメイド映った。
「……あ」
開いた胸元には太い腕が侵入して、片方の乳房を握っている様がありありと伝わり、スカートの中に入り込んだ手は私の一番柔らかい肉を撫でさすり、上下に揺れる腕が卑猥だ。
鏡に釘付けになる私の背後には精悍な顔つきの男が、私の反応ごと楽しむように目を細める。鏡越しの視線とぶつかって、その悪巧みをしたような笑みに思わずゴクリと唾を飲み込んだ。
「あっ……その……」
「なんだ?」
「ここは……」
「ああ」