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偽りの身の上〜身代わりの姫君〜
第3章 うそつき
緩やかだった抽送が次第に激しくなっていくと、奥にぶつかって言いようのない満足感に満たされた。これだ。求めていたのはこの重量感。この刺激。膣内を抉り内臓をかき回すような凶悪な熱。私が欲しかったのはこの猛り。


「んうッ、うぅっ、ふ、んぐ、ん、ッ」
「ああ、気持ち、いい……ふふ」

目の前で腰を振るハイネの熱も口の中でどんどんと激しさを増して、先走りと飲み込みきれない唾液が口の端からたらたらと零れていった。

「……、」

下からの突き上げに体がゆすられ、そのままハイネに伝わる。
あちこちでグチョグチョ、バチュバチュと淫らに響き渡って、誰が出している音なのか分からない。

狂っている。

快楽に呑まれて、皆無我夢中で腰を振り、膣に喉に己の猛りを擦りつける。いつまでも続く快楽に私もまた幾度となく達した。



「ああ、も、い、く……――!」
「んうう、ふうッ!」
「っ!」


何度も何度も上から下からドプドプと精液を流し込まれてはその度に満たされ、まるで幸福感をカタチにしたものが精液なのではないかとさえ思えてくる。


「うぅ、ふ、んッ、ふううぅ――ッ!!」


唾液に、甘露に、汗に、精液に、ぐちゃぐちゃにまみれながら本能のまま繋がって、物のように乱暴に扱われる。その状況にひどく興奮して、また何度目か分からない絶頂を迎えたのだった。




目覚めてからもしばらくは夢の生々しさが抜けず、その日はずっとハイネと王様に罪悪感を感じて、目を見ることすらまともに出来なかった。

これはもう確実に、自分では認めたくないけれど、完璧に欲求不満といっていいだろう。

まさか私が食欲以外の欲求に悶々とすることがあったなんて誰が想像できただろうか。日中は自分のいやらしい考えを振り払って掃除に没頭しても、夜になるとまたあの夢を想像してしまう。

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